
静岡県浜松市に在住の会社員、男性です。釣りが趣味で、シーズン問わずに浜名湖や遠州灘、天竜川などへ出かけては「もう魚は食べ飽きた」と家族に言われながらも、せっせと魚をさばいては食卓に提供しているおじさんです。
Contents
海岸でシーグラスを集める副業バイトをしたときの体験談
もう10年ほど前になりますが、学生時代からの友人に、「お前、釣り好きで海ばっかり言ってるよな?海が好きなのか?」と聞かれ、思い返してみると、釣りが好きというより「海にいること」が好きなのだと気づきました。
その友人が「海岸を歩き回って石拾うのを手伝ってほしい、って言ってるおっさんがいるんだけど、お前手伝ってやってくれない?できる範囲でいいからさ」と頼まれました。石かあ、思いの運ぶの嫌だしな、と思いながらもその友人の顔を立てるために「まあ、試しに、程度ならいいよ」と返事をしました。
後日、友人から電話があり、「今度の土曜日の朝5:30に〇〇の河口の駐車場へ行ってくれ」と言われました。今現在もその作業をしている人がいるといけませんので、具体的な場所を伏せさせていただきます。
なんで石拾うのにそんな早朝に行かなきゃならないんだ?それじゃあ、釣りと変わらないじゃないか、と疑問に思いましたが、とりあえず言われたとおりに現場へ出かけました。
そこには、白髪交じりのおっさんが来ていました。車からバケツと、スーパーの袋サイズの麻!?の袋を数枚用意していました。私が歩きやすい運動靴を履いているのを確認すると、「じゃあ、頑張ってね。重さで買い取るから」と言われ、海岸線へと降りていきました。
全然説明が足りないじゃん、と思いながらも指定の場所まで歩いていくと、「こういうヤツ集めて、こんな感じの」とおっさんは手にしたビール瓶の底!?のようなガラスを私に手渡してきました。
え!?石拾うんじゃないの?と思い聞くと、「石じゃなくて、シーグラスだよ、シーグラス。ガラスの破片がが丸くなったヤツ。」との返答。石を拾うものだとばかり思っていた私はびっくりしましたが、「重たくなくて助かったわ」と安堵しました。
そのおっさんいわく、割れた瓶の破片が海に流され、それが何年も何十年も波や石・砂にもまれて角が取れ、滑らかになったものがシーグラスだそう。それをインテリアや工作などに使う人がいるので、需要があるとのことでした。
まあ私にはその価値や魅力が全く分かりませんでしたが、集めてそれを重さで買い取ってくれるならまあいいかと、作業を行いました。
ちなみに、集めたシーグラスをそのおっさんがどのように売却しているかなどの流通についてはあえてなにも聞かなかったので、会社名などは全く分かりません。
漂着した藻がある場所や、砂浜に砂利が押し寄せられたような場所を中心に西から東へと数キロの距離を2往復しました。所要時間は約5時間程度だったと思います。
海岸でシーグラスを披露バイトをしたときの時給はいくら?
初日の私の収集量は8kgでした。結構頑張りました。買い取り金額はキロ当たり1,400円ということで、11,200円のバイト料を現金裸でもらいました(笑)。重さをはかるときに、車に積んであったボロボロのアナログの体重計をを出してきたので、「おいおい、それで本当に正確な重さが図れるのかよ!」とつっこみたくなりましたが、まあ私も暇つぶしのアルバイトだったので目をつぶりました。おっさんは私の2倍以上の量を拾っていたようです。
その日の夜に私の友人からまた電話があり、「今が拾いやすい時期なんだって。来週末からしばらく集中的に手伝ってやってくれ」と言われ、釣りには行けないけど海にいるのは一緒だし、としぶしぶ了解してそれから約1ヶ月間、毎週土曜日におっさんに付き合ってシーグラスを拾い続けました。
シーグラスの見つけ方が徐々にうまくなり、1ヶ月合計5回のアルバイトで合計約8万円の収入になりました。
ちなみに、なるべく潮が大きく引いている時が良いそうで、初回のように早朝集合の時もあれば、正午過ぎに集合して作業するときもありました。
シーグラスを拾い集める副業バイトのポイントとデメリット
私にとってのメリットは、「海にいられること」と「完全歩合制なので頑張れる」という2点ですかね。加えて、意外にも買い取り金額が高かったことが、次回のやる気にもつながりました。
海にいるだけで、日頃のストレスから解放されました。作業に支障が無いので、スマホに入れた洋楽をイヤホンでがんがん聞きながら歩いたので、ちょっとした散歩気分でした。
デメリットはあまり思いつきませんが、人によって感じるかもしれない点は「早起きしないとならない場合がある」「腰をかがめて拾うので腰に負担がかかる」「拾い集めたシーグラスを一定量に達するまで袋に入れて持ち歩くので手が痛くなる」あたりかもしれません。
いずれのデメリットも、私にとってはさほど苦にはなりませんでした。釣りが趣味で早起きには慣れていたし、腰に不安を抱えてもおらず、重たくなってくる袋は持ち方を工夫して手にふんをかけないようにできましたので。
私がアルバイトした時期は、4月中旬から5月中旬でした。一年で最も紫外線が多き時期ですので、天気が良い日には、かなり日焼けしてしまうでしょう。もともと私は年中真っ黒でしたから、日に焼けたかどうかもわからない感じではありましたが(笑)。普段あまり日を浴びていない方には、きつい時期だと思います。大きなつばの帽子をかぶったり、長袖を着たりして万全な対策をしなければ、一日の終わりには肌が真っ赤に焼けてしまうでしょう。暑くて汗も滴り落ちるぐらいですしね。
人間関係についてですが、わたしはおっさんから袋を渡されて一人で歩き回っていただけですので、全くストレスを生じる余地はありませんでした。完全歩合制ですので、もし私の収集量が少なくても文句を言われるわけではないですし。
学べたことと言えば、何といっても「こんなものにも需要があるのだな」と視野が広がった点ですね。常日頃から海釣りに行っていましたが、足元に転がっているこんなガラスの破片にも商品価値があるなんて!と「世の中何が売れるかわからないぞ」と考えると楽しかったですね。いつか別の何かにビジネスチャンスを見いだせる感性が身についたかも?笑
レアな副業バイトの経験が自営業になる可能性もあり!
このバイトは、非常にレアなものだと思います。いくら求人誌の隅々まで読んでも「シーグラス集め!バイト求む!」とは載っていないでしょう(笑)。あくまでもニッチな職業で、このアルバイトをしたいと思っても何かしら情報を持っている人に行きつくこと自体が奇跡だと思います。
ただ、商品的な需要があるということは、日本全国の海岸線のどこかで同じようにシーグラスを収集し、それをビジネスとしている方が他にも必ずいるでしょう。このアルバイトにたどり着くのは非常に困難かもしれませんが、日本は全周を海に囲まれています。きっとどこかで同じようなアルバイトをしている方がいらっしゃるはずです。
「私も海岸線を歩きながらシーグラスを集めたいな」とお考えのようでしたら、お住まいの地域でシーグラス関連商品を取り扱っているショップや、流木アートなどを制作している個人や団体などに問い合わせてみるのも手かもしれません。
それほどまでに熱心に探されるのでしたら、アルバイトとは言わず、自身が個人事業主となってネット通販を立ち上げるのもアリかなと思います。
日本全国海に囲まれている、と前述しましたが、どこの海でもシーグラスを集められる、という保証は私にはありませんので、ご近所の海へ足を運んでも全然見つからない場合は悪しからず。